中澤 篤志 (Atsushi Nakazawa)

Atsushi Nakazawa Ph.D
Professor, Faculty of Interdisciplinary Science and Engineering in Health Systems Okayama University.
nakazawa.atsushi@okayama-u.ac.jp
Tel: +81-86-251-8022
[Google Scholar] [Reserchmap]
[Okayama Univ Research Directory]

Dr Atsushi Nakazawa is a professor at the Faculty ofInterdisciplinary Science and Engineering in Health Systems at Okayama University. He received his Ph.D. in systems engineering from Osaka University in 2001. He then worked at the Institute of Industrial Science, University of Tokyo, and then at the Cybermedia Center, Osaka University. From 2013 to 2023, he was an Associate Professor in the Department of Computer Science at Kyoto University. In 2003, he moved to Okayama University.

From 2007 to 2008, he was a visiting researcher at the Georgia Institute of Technology (GaTech), GVU Center, working with Professor James M Rehg and Professor Irfan Essa. In 2010, he was awarded the Precursory Research for Embryonic Science and Technology (PRESTO), Japan Science and Technology Agency (JST), and became a researcher of this programme. Since October 2017, he has been the Programme Investigator (PI) of the JST CREST project “Computational and cognitive neuroscientific approaches for understanding the tender care”.

His research interests are in human behaviour/mental analysis using computer vision, eye tracking, eye imaging and motion capture systems. Dr Nakazawa has received best paper awards from IEEE VSMM and Japan Robotics Society (RSJ). His recent interests include image processing and computer vision, pattern recognition, robotics, and affective computing.

中澤 篤志
岡山大学学術大学院ヘルスシステム統合科学研究科教授

2001年 大阪大学大学院工学研究科システム工学専攻博士課程博士取得退学(指導教員:井口征士教授) 博士(工学)取得
2001年~2003年 東京大学生産技術研究所博士研究員(科学技術振興機構研究員)池内克史研究室において文化財のデジタル保存について研究
2003年~2013年 大阪大学サイバーメディアセンター講師 コンピュータビジョン、ロボティクスに関する研究に従事
2013年~2023年 京都大学大学院情報学研究科知能情報学専攻准教授。コンピュータビジョン、介護インタラクションに関する研究に従事
2025年~ 現職

2007年~2008年 ジョージア工科大学GVUセンター客員研究員(Professor James M. Rehg, Professor Irfan Essa)
2010年~2014年 JSTさきがけ研究員(石田亨総括)
2017年~2023年 JST CREST研究代表「優しい介護インタラクションの計算的・脳科学的解明」(間瀬健二総括(人間と情報環境の共生インタラクション基盤技術の創出と展開))

コンピュータビジョン、アイトラッキング、アイイメージング、モーションキャプチャシステムを用いた人間の行動/精神分析に関心を持つ。IEEE VSMMおよび日本ロボット学会(RSJ)から最優秀論文賞を受賞。最近の関心は、画像処理とコンピュータビジョン、パターン認識、ロボット工学、感情コンピューティングなど。

人の感情や状態を計測する研究

ファッション画像からのファッションスタイル認識

ファッションスタイルを認識することは、デザインした服飾の評価や、顧客の好みのスタイルに合わせたアイテムの推薦などへ応用可能なため、重要な技術です。そのため本研究では、ファッションスタイル分類問題を取り上げ、その分類性能向上を目指しています。

従来手法では、入力画像を1つの深層学習のネットワークに入力し、ファッションスタイルの分類を行っていました。 それに対して我々の提案手法では、入力画像を各成分に分解し、マルチストリームに深層学習のネットワークに入力することで、分類性能の向上を達成することが出来ました。

  • T. Yamamoto and A. Nakazawa. Fashion Style Recognition Using Component-Dependent Convolutional Neural Networks. pp. 3397-3401. In IEEE ICIP2019.
  • 山本卓永, 中澤篤志. 入力画像の要素分割と各要素に対する学習を用いたファッションスタイル分類の性能向上. 電子情報通信学会論文誌 Vol. J102-D. No.10. pp. 639-650. 2019.
  • 山本卓永, 中澤篤志. 深層学習を用いたファッションスタイルの印象推定. 画像の認識・理解シンポジウム (MIRU2018). (MIRUインタラクティブ発表賞).

会話中のアイコンタクトおよび視線の文化的差異とロボットへの実装

非言語コミュニケーションは会話の重要な一環であり、その中で視線は感情、注意、興味など多くの情報を会話相手に伝えます.視線行動は状況や人の背景に敏感で、特に文化による大きな差が存在します.例えば、好ましいと思われるアイコンタクトの長さや考える時に見る方向などは文化によって傾向が変わることが判明されています.人間同士の会話中の行動をもとに対話用ロボットにいくつかの文化の典型的な視線行動パターンを加え、様々な文化的背景を持った人に広く対応できるソーシャルロボットを提案しています。自分と似た行動をするロボットを好むか、より人間らしいロボットを好むか、どのような行動でソーシャルロボットが評価を得られるかも検討しています.

  • Louisa Hardjasa, Atsushi Nakazawa. A Cross-Cultural Examination of Gaze and Eye Behavior during Conversation. 電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーショングループシンポジウム2019(HCG2019)

画像観察者の生起感情の理解

SNS等には日夜画像が投稿され、その画像が惹起する感情を理解することは重要なタスクです. 既に、画像に感情をタグ付けた大規模なデータセットが公開され、それに基づいて画像を入力、感情を出力とするディープニューラルネットワークによる分類モデルが複数提案されています. ところで、画像には、そこに写っている状況の意味を理解して初めて感情を抱きうるものがあります. 例えば、「花を手向けている人の写真」は、それが人の死を暗示するものであることを理解して初めて「悲しみ」が誘発されます. このような画像は、前述のような画像特徴量のみを用いる手法では認識が難しいです. そこで本研究では、高次の特徴量として画像中のオブジェクトに着目しました. 既存の物体検知器を用いて画像中のオブジェクトを列挙し、それを特徴量とすることで、認識精度の向上に成功しました. 今後は、オブジェクト同士の関係に着目し、画像を見た人の視線移動を計測することで、画像の意味的な理解についてさらに研究を進めていきます.

屋外シーンにおける視線データと印象との関係

街路(シーン)を歩行することによって,人は常に何らかの印象を受けます.そこで本研究では,歩行者が何を見ているのかという情報が重要なのではないかと考え,アイトラッキングで測定した注視行動情報(停留回数,停留時間,サッケードの総移動距離)とシーンに対する主観評価に相関があるのか調査しました.被験者はアイトラッカーを装着し,8面ディスプレイに投影した動画を見た後にアンケートに答えてもらいました.それから眼球運動解析のために,MATLABと,EyeMMVツールボックスを使用して注視行動情報を計算し,主成分分析,相関分析を行いました.その結果,有意な相関が見られました.具体的には「明るい」,「開放的」,「美しい」,「好き」の項目と,合計停留時間との間に正の相関があることが判明しました.

  • 桜栄 翔大,中澤 篤志:歩行時におけるシーンの主観評価と注視行動の関係